MUSIC FROM HEARTLAND VOL.1
桃源楽 trans- PARADISE MUSIC / 吉育
風の言葉に耳を澄ませ、水が奏でるリズムに身をまかそう。
吉育が手のひらのブルースハープにふっと息を吹きかける、
すると、風と空と大海原のハーモニーが聴こえてくるんだ。
ブルースハープで綴る沖縄名曲集。関島岳郎プロデュース。
ハートランドへようこそ! 珠玉の旋律で綴るスケッチ・オブ・オキナワ。
吉育(よしいく)は京都で活動する気鋭のブルースハープ奏者。吉育の記念すべき第一作はストラーダ/栗コーダ-カルテット等で活躍する関島岳郎をプロデューサーに迎えて、沖縄が生んだ名曲に果敢に挑戦。奄美~沖縄本島~宮古~八重山まで琉球弧につたわる美しい旋律の数々をブルースハープの素朴にして味わい深い音色で綴る「南島名曲譜」。その珠玉のメロディに関島はじめ、船戸博史(ふちがみとふなと)、渡辺勝(元はちみちぱい)、中尾勘二(ストラーダ)等の名手たちが、ときにトーイ・ミュージック、ときにアンビエント・ミュージック、とさまざまに手法を換えて色とりどりのサウンドを塗り込めた。そこに、大工哲弘(!)、川崎巽也、上地一也(下地勇のプロデュース担当)城間和広等、沖縄音楽シーンの第一線で活躍するミュージシャンたちの全面的サポートを得てさらに音楽の世界観はパノラミックに奥行を増している。沖縄メロディを素材にした無国籍サウンド。どこにもない不思議な音楽が出来上った。沖縄音楽ファンもそうでない方にもオススメの一枚。BGMにも最適。やさしく、心あたたまる一枚、いつもそばに置いておきたいアルバムだ。 2008年作品
1.西武門
2.赤田首里殿内
3.永良部の子守唄
4.PW哀りなむん
5.なんた浜
6.ヒヤミカチ
7.なりやまあやぐ
8.与那国の子守唄
9.ふるさとの雨
10.月ぬ美しゃ
11.梅の香り
12.芭蕉布
13.ジントーヨーワルツ
Musicians
吉育 -bluesharp
大工哲弘 -三絃
中尾勘二-soprano saxophone
浅田実可-marimba
川崎巽也-guitar
渡辺勝-piano
船戸博史-contrabass
上地一也-contrabass
城間和広 -percussion
関島岳郎 -tuba, recorder ,flugelhorn, ukulele, 大正琴,toy piano, electronics, percussion
Produced by 関島岳郎
え:中林久和 デザイン:青木隼人 ノート:かみやかずよし、関島岳郎
[試聴]
2.赤田首里殿内:
■ 商品説明
珠玉の旋律で綴るスケッチ・オブ・オキナワ。吉育(よしいく)は京都で活動する気鋭のブルースハープ奏者。吉育の記念すべき第一作はストラーダ/栗コーダ-カルテット等で活躍する関島岳郎をプロデューサーに迎えて、沖縄が生んだ名曲に果敢に挑戦。奄美~沖縄本島~宮古~八重山まで琉球弧につたわる美しい旋律の数々をブルースハープの素朴にして味わい深い音色で綴る「南島名曲譜」。
■ 商品仕様
製品名 | 桃源楽 trans- PARADISE MUSIC / 吉育 |
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型番 | AUR-8 |
JANコード | 4571258156086 |
メーカー | off note / Aurasia |
製造年 | 2008年 |
MEMO 桃源楽 2018
本作は沖縄珠玉の旋律をあつめた器楽集である。
ブライアン・イーノ氏は自ら提唱したアンビエントミュージック(環境音楽)について「聴き流してもいいし、耳を傾ければより一層興味深い音楽」と解説していたが、我が裡なる無頼庵猪野は「てやんでぇ、御託並べやがって。BGMの効能書きを気取って小難しく言廻してるだけじゃねぇか」と悪態を吐きながらも、制作者の端くれとしては「環境音楽」のコンセプトにはつよく惹かれていたのである。空港という交通要衝ターミナルでのプレゼンツが企図された『Music for Airport』や、架空映画のサウンドトラック『Music for Films』等、予め聴衆を前提としない、実用 /非実用音楽は大きな指標となったのである。
実際にこのころ、関島岳郎さん(本作プロデューサー)とよく架空の南国ホテルを想定した環境音楽のアイデアについて語り合ったりしたものだ。わたしたちの構想は夢想であるがゆえに壮大だったから即座に実行に移されることはなかったけれども。そんなある日、沖縄那覇の繁華街・国際通りを訪れて軒を連ねる郷土物産店から流れてくる雑多な沖縄音楽を聴くともなしに聴きながらあるいていたとき。急に閃いた、「そうだ、スーベニアミュージック。土産もの屋さんでプロモートされる音楽を作ったらどうか」と。
わたしたちアジア人にとって、イーノ氏の環境音楽は常に指標たり得るけれども、その発想地点はあまりに西洋に偏りすぎているように感じられる。「環境」を称しながら人々の気配や場の匂いをすっかり殺菌消毒してしまった無味乾燥空間に人(死者をも含む)と自然の共生、共感はあるだろうか。わたしたちの環境音楽はまずアジア的渾沌から出発して、真の「多様性の調和」に到らなければならない、そう愚考したのである。
この企画を実行にうつすにあたり、サウンドプロデュースを任せるなら関島岳郎この人をおいて他にない、これは自ずと決まっていた。それから次に、吉育というブルースハープ奏者に白羽の矢を立てたのである。吉育さんは生粋の京都人、沖縄には縁もゆかりもなかっただろう。だからいい。沖縄とその音楽について、まったく白紙であるからこそ、「スケッチ・ズオブ・オキナワ」大きな絵を描けるのだから。実際、吉育さんはブルースハープという小さな楽器ひとつを操って、島宇宙と見事に交信し、非体系の体系を有する沖縄の旋律とよく遊んでくれたとおもう。とってもいい感じだから、ぜひ聴いてほしい。
わたしたちはまだあきらめていない、自然と生きもの(幽霊をも含む)とが共生するホテルのウチソトを流れる音楽やら星々と交信する発信装置、「地球を鳴らす」ことをである。 2018.8.24