韓国大衆歌謡史の決定版!
歌を通して近代の歴史をたどることは、そのまま、その時代を生きた人々の心情の変転を綴ることにつながるはずだ。『韓国歌謡史 1895~1945』(1987)あとがき
1987年、晶文社から刊行され、日韓大衆芸能研究に先鞭を付けた歴史的名著を大幅改稿し貴重な図版も多数収載した「決定版」として装いも新たに甦る。さらに、その続編として韓国語出版されながら日本語叛は未刊のままだった『同2 1945-1980』も併せて同時刊行。�では戦前(解放前)に韓国で発売された大衆歌謡のSPレコードの検証を通して、韓国近代化のなかで韓国歌謡がどのように生まれ、育まれていったかを克明に記録した。�では、在日韓国人二世である著者の視点を通して、戦後(解放後)における韓国大衆歌謡の歩みとこの国に澎湃と興った「在日」芸能の隆盛の相互浸透を韓日大衆歌謡史として大胆且つ微細に分析し、いまだかつてない在日文化論のヴィジョンを鮮やかに提示する。二巻で800頁をゆうに超える圧倒的ボリューム。初刊より30年経た現在でも類書の追随を許さない韓国大衆音楽史の決定版、歴史的名著が満を持してついに登場!
[朴燦鎬著「韓国歌謡史」を推す]
解放前の歌謡史を克明に綴った『韓国歌謡史』(1987年、晶文社)は、音楽を生業とする表現者・研究者にとって古典の位置を占める。その戦後編が加筆され、「在日」音楽の近現代史までが含まれた。本書は「韓国-在日」音楽史のバイブル、音楽の叙事詩、歴史の叙情詩である。 趙博(浪花の歌う巨人パギやん)
歌はいつも時代とともに連れ立っていた。
近代開化も植民地統治も、はたまた戦後の復古調ですら、歌なくしてはやってこなかった。
そのようにも歌はその時代を生きた人々の、心情の流露をひびかせてきたのだ。
にもかかわらず巷の歌とも言われたその歌が、時代変遷の歴史的証明として声を留めることはついぞなかった。荒野でかすれているような年月の奥の歌のひびきを、一冊の『韓国歌謡史』にまとめあげたのは朴燦鎬である。これほどの労作が二〇年余りも、社会の耳目から遠ざけられていたとはなんという心ないことであろう。幸いにもこの度、解放後の韓国歌謡をも網羅して新たに復刊されるという。歴史書からは見て取れない時代のうずきが、改めてこだまするであろう。 金 時鐘(詩人)
A5判 400頁上製本
発行元:邑楽舎 発売元:株式会社街から舎
著者 プロフィール
朴 燦鎬 (パク・チャンホ) 1943年、名古屋生まれ。早稲田大学文学部卒業。大学卒業後、在日韓国青年同盟参加。1970年代~80年半ば、金大中氏救出運動等、韓国民主化運動支援活動に携わる。同時期に解放(1945年)以前の朝鮮歌謡、戦前日本歌謡のSPレコードに関心を持ち調査を開始。1987年「韓国歌謡史 1895‐1945」(晶文社)刊行、日刊両国における韓国歌謡史研究に先鞭を付ける。2009 年、『韓国歌謡史』改訂版 と続編をソウルで出版、好評を博す。2018年「韓国歌謡史」(邑楽舎)全二巻を決定版として同時刊行。
■ 商品説明
決定版韓国歌謡史! 日韓大衆歌謡研究に先鞭を付けた歴史的名著、三〇年ぶりの復刊!近現代における韓国歌謡の成立と発展を克明に綴った大著『韓国歌謡史 1895-1945』を大幅改稿して31年ぶりに待望の再刊。さらに2009年、韓国で刊行された続篇『韓国歌謡史2 1945-1980』日本語版を同時刊行。日韓両国における大衆歌謡研究に黄金の礎を築いた歴史的名著が「決定版」となってついに刊行!
■ 商品仕様
製品名 | 韓国歌謡史1 1895-1945 / 朴燦鎬 |
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メーカー | 邑楽舎 |
製造年 | 2018年 |
韓国歌謡史1 1895-1945 目次
跋文 誠実と愛情で築いた努力の成果(抄) 李英美
はじめに
改訂版に寄せて
第一部 歌にこめられた民衆のこころ
1.アリラン物語
2.青い鳥よ
3.チャンガ(唱歌)
4.独立運動のもとに
5.植民地下、民謡が歌いつがれる
第二部 朝鮮近代音楽の先駆者たち
1.「鳳仙花」咲く
2.黎明期の音楽人群像
3.花ひらく歌曲の世界
4.創作童謡の誕生
第三部 草創期の歌謡曲
1.レコードの登場と最初のヒット歌手
2.春を待ち望む歌
3.本格的流行歌『荒城の跡』
4.初期歌謡界の歌手
5.ジャズソングの流入
6.新民謡と妓生歌手の抬頭
7.涙の女王
第四部 歌謡曲の黄金時代
1.ヒット歌謡の産みの親
2.『木浦の涙』ナニョン蘭影
3.『他郷暮らし』ボク福ス壽とファン黃グム琴シム心
4.『哀愁の小夜曲』イン仁ス樹
5.『コルマンテ牧童』ファ花ジャ子
6.『涙に濡れた豆満江』キム金ジョン貞グ九
7.『連絡船は出て行く』セ世ジョン貞
8.『コスモス嘆息』ヒャン響ニム林
9.『ナグネ・ソルム』ニョン年ソル雪
10.『不孝者は泣きます』バン芳ナム男
11.一世を風靡した歌姫たち
12.男性歌手たち
13.オーケーグランドショーとチョル哲
14.日本で活躍したスターたち
第五部 暗黒期の歌謡曲
1.御国の兵たらんと志願します ――民族受難と軍国歌謡
2.アジアの風よ、ソウルの夢を醒ませ ――発禁レコードと改詞の系譜
あとがき
改訂版あとがき
参考文献