一塵の砂嵐のように吹き来たり吹き去るアルト・サックス。音の粒子が象る至高のモノガタリ交響楽。コニッツの音色とオーネットの感性を併せ持ち、ドルフィーの調性とレイシーの抽象性をパーカーの疾走感で表現する不世出のサックス吹き、林栄一。アルト・サックス一本に賭けた一夜の演奏を収録。超絶技巧の隙間からたちあらわれる大きなうたごころは、聴く者を遠くアジアのどこか知らない場所へと誘う。 1996年作品
1.時の粒
2.音の粒
3.Donna Lee
4.Circle
5.夢の粒
6.You Don't Know What Love Is
7.星の粒
林栄一 Alto Sax Solo
[試聴]
1.時の粒:
■ 商品説明
一塵の砂嵐のように吹き来たり吹き去るアルト・サックス。音の粒子が象る至高の交響楽。コニッツの音色とオーネットの感性を併せ持ち、ドルフィーの調性とレイシーの抽象性をパーカーの疾走感で表現する不世出のサックス吹き、林栄一。アルト・サックス一本に賭けた一夜の演奏を収録。超絶技巧の隙間からたちあらわれる大きなうたごころは、聴く者を遠くアジアのどこか知らない場所へと誘う。
■ 商品仕様
製品名 | 音の粒 / 林栄一 |
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型番 | on-16 |
メーカー | オフノート |
製造年 | 1996年 |
MEMO 音の粒 2018
林栄一ほど身体を感じさせてくれる音楽家を他に知りません。その様相を最もはっきりつたえてくれるのが彼のソロワークではないでしょうか。身体が司るオルガン(器官)機能を通過しながら極限まで研磨されてふいごの作用のように吐き出される一音一音は身体の内奥で不断に起こっている「生命のドラマ」に充ち満ちています。アルトのアサガヲから吐き出された音の粒子は、非在の「女性」の肖像を描いたかとおもえば、即座に「時の刻」を指し示し、星廻りをしながら、やがては偏在し転変する「宇宙の法則」を開示するに至る。まさに「全体音楽」「唯一人交響楽」、林栄一こそ、天才・原田依幸と並んで「全身音楽家」という呼称が最もしっくりくる稀有な表現者であると信じて疑いません。本作は林栄一の実相を如実につたえる至高の一枚、未体験の方はぜひご体感くださいますよう。いま、いにしえの詩聖が綴った珠玉の一節が脳裏を去来しています。この詞の一節を飛びゆく光のごとき眩い林栄一の音楽に献げたいとおもいま す。
あなたはわたしを終わりなきものにお造りになられた/それがあなたの喜び/このこわれやすい器をあなたはいくたびもうつろにし/また新しい生命で充たされる/この小さな葦笛を/あなたは丘を越え谷を越えてはこび/いつまでも新しい歌を吹き鳴らされる(ギーターンジャリ インドの詩聖・タゴールのうたえる)
2018.1.9 神谷一義(オフノート)