ループする衝動、幻惑のノスタルジー.…異界のチェロリスト・坂本弘道、渾身の一撃。演奏行為の中で身体に堆積した癖やパターンをもう一度、音楽に再構築していく作業を通してたちあらわれた無意識のイメージパズル。身体を巡る旅を繰り返して究極辿り着いた元初の風景。身体の内奥に渾然一体となって烈しく妖しく蠢く幻惑のノスタルジーとトートロジー。「零式」。内なる円環のイメージをあやかしの至高美にまで高め、外在化し方法化し得た異界のチェロリスト(チェロ×テロル)、奇蹟の到達点。1999年作品
*このCDの出発点は、「オリジナリティというものの大半はその人の音楽履歴を透過した身体性、もっといえば手癖にすぎないんじゃないか」という考えからだった。自分の即興演奏の録音を分析し、そうして採集された癖やパターンをもう一度音楽に最構築していくという作業は、無意識をテーマにしたパズルのようだった。そして際限なくとっ散らかっていった音を再び収斂させたのは、皮肉にもバイク事故で骨折して動かなくなってしまった体だった。楽器が弾けない状況が音への衝動を呼び覚まし、焦燥感は作品化する原動力となった。2年を費やした身体性を巡る旅は意外な形で幕を閉じ、そして何回転もして結局戻ってきた自分の根っこ、輪ッかのイメージと合わせて「零式」(ぜろしき)と名付けた。語感が「セロ弾き」とシンクロしてるのは偶然。(坂本弘道)
*坂本さんのチェロは地球上ここにしかない変種、その音楽は美しく切なくココチヨキ変態性アリアリ。CDではステージ上でとびちる「火花」だけは無理だったけど、その他の坂本はどっさり聞かせてくれます。とにかくCDがリリースされてヨカッタ。ウレシイカギリ。〈滝本晃司/たま〉
*びっくりした。あの無骨な男が、こんな鮮やかなCDを創り上げていたとは。やっとあなたの事が分かった気がした。今まで確かに目の前にはいたのだが、いまひとつ掴みきれないでいた。あなたの魂はこんな音楽の中に隠れていたのですね。これは私たちにとって最高級のプレゼントです。石塚俊明(打楽器奏者)
*「零式」は21世紀の「銀河鉄道の夜」だ。汽車の窓から、飛ぶように走り去るイメージを聞いている。そして、見ている。ならば、坂本さんはセロ弾きのゴーシュなのだろうか。ゴーシュにはいろんな動物がやって来た。私には、坂本さんの肩先や、頭の上や、腰の後ろやらに、羽の生えたオルガニートやしっぽのついたオートハープ達が飛び乗って一緒に宇宙を旅しているように思えた。
山田せつ子(舞踊家)
1.真・月魚
2.蒸気歩行
3.薔薇の速度
4.兆し…
5.夢の蹟
6.影踏み
7.空蝉
8.海馬は踊る
9.嵐が丘・零式
10.半分夏生まれた
11.ドガ・改
12.蝶と骨と虹と
Produced by 坂本弘道
[試聴]
5.夢の蹟:
■ 商品説明
演奏行為の中で身体に堆積した癖やパターンをもう一度、音楽に再構築していく作業を通してたちあらわれた無意識のイメージパズル。身体を巡る旅を繰り返して究極辿り着いた元初の風景。身体の内奥に渾然一体となって烈しく妖しく蠢く幻惑のノスタルジーとトートロジー。「零式」。内なる円環のイメージをあやかしの至高美にまで高め、外在化し方法化し得た異界のチェロリスト、奇蹟の到達点。
■ 商品仕様
製品名 | 零式 / 坂本弘道 |
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型番 | on-33 |
JANコード | 4571258150336 |
メーカー | オフノート |
製造年 | 1999年 |