肉声の黄金時代をいまに甦らす奇跡的なうたを聴こう。日本を代表するタンゴ歌手、阿保郁夫がピアソラの称讃を浴びた名バンドネオン奏者、京谷弘司と彼のキンテート・タンゴの力を借りて作り上げたすタンゴ名曲集。阿保がうたの師として敬慕して止まないガルデルの名演の数々にもチャレンジしている。冒頭の「動機」の一声を聴くだけで彼のタンゴが単なる本場のコピーではない、瑞々しい感性と長年培った確かな技巧に裏打ちされ、オリジナルの高みへと昇華された一世一代の創唱であることがわかるだろう。ライナー解説:平岡正明、西村秀人、阿保郁夫 1997年作品
阿保郁夫のステージは、まず1930年代あたりのタンゴ黄金時代の幻影をつくりだす。バンドネオンの蛇腹から、ハフッという空気と一緒に金粉でも飛び散るかのように、こちらをいい気持ちにしておいたところで、「最後の杯」でグサッとくる。それがだまし絵ならだまし絵でいい。よろこんでだまされましょう。…本アルバムは、そういうこもごもの想いをのせて、「最後の杯」なしの阿保郁夫の14曲である。…それから繰り返し聴いて見えてきた。郷愁というものは天井から降りてくるものではなく、足下からじわじわとはい上がってくるものなのだ。
(平岡正明「のるかそるか? 阿保郁夫」より一部抜粋)
ようやくCDができ上がった。この年齢で、夢にも思わなかったまさかのCDである。体力の衰えは想像を超えていた。録音が深夜に及んだ日は、体の芯まで疲れ切って帰宅した。老体に嘆息するばかりだった。それ故に、私はこの「明日は船出」に愛着を抱く。声の衰えとそれに因る感情表現のもどかしさ、滑舌のわるさには忸怩たる思いを隠さないが、歌詞に60年の自らの人生の断片を折り込んで深く歌えたことが救いだった。私は、ベストの録音だと思いたい!
(阿保郁夫「…感謝し切れない!」より一分抜粋)
1.動機 El Motivo
2.魅せられし心 Lo Han Visto Con Otra
3.明日は船出 Manana Zarpa Un Barco
4.ひばりと渡り鳥 (つぐみとひばり) El Zorzal Y La Calandria
5.悲しき小唄 Canzoneta
6.ママ・ビエハ Mama Vieja
7.青い小部屋 Cuartito Azul
8.交わす杯 Tomo Y Obligo
9.過ぎた昔 Tiempos Viejos
10.いまも君を愛す Y Todavia Te Quiero
11.悩ましき君の瞳 Yo No Se Que Me Han Hecho Tus Ojos
12.哀れな老婆 Vieja Recova
13.ブエノスアイレスの喫茶店 Cafetin De Buenos Aires
14.帰郷 Volver
Personal
阿保郁夫 Ikuo Abo -Vocal
京谷弘司 Koji Kyotani -Bandoneon
松原勝也 Katsuya Matsubara -Violin
古橋 幸 Yuki Furuhashi -Violin
淡路七穂子 Nahoko Awaji -Piano
田中伸司 Shinji Tanaka -Contrabass
柚木秀子 Hideko Yuki -vocal (Duoen 11)
Direction 京谷弘司 Koji Kyotani
[試聴]
1.動機 El Motivo :
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■ 商品説明
肉声の黄金時代をいまに甦らす奇跡的なうたを聴こう。日本を代表するタンゴ歌手、阿保郁夫がピアソラの称讃を浴びた名バンドネオン奏者・京谷弘司と彼のキンテート・タンゴの力を借りて作り上げたすタンゴ黄金期の名曲集。冒頭の「動機」の一声を聴くだけで彼のタンゴが瑞々しい感性と長年培った確かな技巧に裏打ちされオリジナルの高みへと昇華された一世一代の創唱であることがわかるだろう。
■ 商品仕様
製品名 | 明日は船出 / 阿保郁夫 |
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型番 | on-24 |
JANコード | 4571258150244 |
メーカー | オフノート |
製造年 | 1997年 |