BON VOYAGE !
音楽の桃源郷〈ユートピア〉を目指して。
独自のジンタ・ワールドからさらにとおくへ。
島うたの革命児、大工哲弘が果敢に挑むアナザー・ワールド。
琉球弧を基点に無限に広がる全く新しい汎アジア・環太平洋音楽の誕生だ!
参加ミュージシャン総勢31名 !! 南島歌謡史上未曾有の超大作ここに感性 !!!
好評『ウチナージンタ』『ジンターナショナル』で示した独自の“ジンタワールド”をさらに発展させた大工哲弘初の二枚組コンセプトアルバム。沖縄(とりわけ八重山諸島)と台湾の民衆的交流・唄の伝播を軸に据え、新たな「環太平洋サウンド」の創造を目指して制作された。選曲は従来の沖縄島うたに限定せず、台湾歌謡、日系ハワイ・ソング、ブラジリアン・ポップスも飛び出すまさに開けてビックリ! 唄の玉手箱的展開。自身にとって初めての曲想に挑む大工はいつになくリラックスしていてまるで新たなチャレンジを楽しんでいるかのよう、その歌声は雲雀のように艶やかで天高く真っすぐに伸びてゆく快心の名唱となった。大工の歌声を盛り上げるサウンドメーカーは渡辺勝、ロケットマツ、関島岳郎、中尾勘二の4人からなる新生プロデュースチーム「蓬莱4HOURAI FOUR」の面々。この異能の音楽家集団は四者四様、大技小技の応酬でたがいに競い・協調しながらアルバム全編に表情豊かでバラエティに富んだ多彩なアレンジを施している。参加サポート陣は豪華総勢31人!ジンタ前二作で多用した弦&管楽器にさらにラテンパーカッション、スティールドラム、ヴィブラフォン、カリンバ、胡弓等、世界各地の民俗楽器を加えてよりカラフルで厚みを増した楽器編成で独自のエキゾチックサウンドを実現。琉球孤を北端の基点とする環太平洋音楽の創造、新たなパラダイス・ミュージックの可能性を明示する渾身の力作がここに誕生した。2003年作品
disc1 太平音楽
1.ハートランド
2.安里屋ユンタ
3.与那国小唄
4.ユサクヤ
5.トーガニスーザ
6.倹約数え唄
7.ロマンス航路
8.ホレホレ節
9.ジャパニーズ・ルンバ
10.ヒヤミカチ
11.十九の春
12.道頓堀行進曲
13.お富さん
14.椰子の実
15.Oranges From Jaffa
disc2 蓬莱行
1.つれなのふりや
2.台湾行き数え唄
3.雨の港(港辺惜別)
4.雨夜花
5.アイアイジョーで乾杯(愛愛上乾杯)
6.おさけ小唄
7.可愛いスーちゃん
8.月夜愁
9.望春風
10.琉米親善の唄
11.一坪たりとも渡すまい
12.標準語励行の唄
13.国民の煙草 新生
14.イリヌミルク
15.トラベシア Travessia
参加ミュージシャン :
大工哲弘 vocal, 三絃
大工苗子 vocal, chorus, 箏
玉城杉子 vocal, chorus
森美千代 vocal, chorus
屋嘉部充 chorus
西表高康 chorus
渡辺勝 guitar, drums, uklele,e. piano, chorus etc
ロケットマツ piano, accordion, organ, synthesizer, Mandolin, toy etc
関島岳郎 tuba, trumpet, recorder, percussion etc
中尾勘二 saxophone, klarinette, trombone, drums, percussion etc
金井太郎 guitar
船戸博史 contrabass
向島ゆり子 vioiin,viola
三木黄太 cello
松井亜由美 violin
うつお violin
大竹サラ violin
クリィスチーヌ violin
坂本弘道 musical saw
桂牧 lap steel guitar
平得永治 胡弓
國仲依子 金琴
菊池雅志 笛
川下直広 tenor saxophone
永畑風人trumpet, ゴム管
桑野萌 flute
松村孝之 percussion
石川浩司 percussion, chorus
小林啓一 vibraphone
近藤研二steel pan
近藤ヒロミkalimba
イマイアキノブ chorus
[試聴]
disc1-2.安里屋ユンタ
disc2-12.標準語励行の唄
■ 商品説明
BON VOYAGE ! 音楽の桃源郷〈ユートピア〉を目指して。独自のジンタワールドからさらにとおくへ。島うたの革命児、大工哲弘が果敢に挑むアナザー・ワールド。琉球と台湾の民衆的交流・唄の伝播を軸に据え、新たな「環太平洋サウンド」の創造を企図して制作された2枚組大作。琉球弧を基点に無限に広がる全く新しい汎アジア・環太平洋音楽の誕生だ! 参加ミュージシャン総勢31名 !
■ 商品仕様
製品名 | 蓬莱行 exo-PAI PATIROHMA / 大工哲弘 |
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型番 | on-43 |
JANコード | 4571258150435 |
メーカー | オフノート / カットアウト |
製造年 | 2003年 |
MEMO 蓬莱行 2018
本作はオフノート初の2枚組コンセプトアルバムとして2003年にリリースされた。録音は前年の初夏から開始され極月までおおよんだからほぼ半年、要した総録音時間はおそらく400時間はくだるまい。なぜ、わたしたちは来る日も来る日も飽かずに、まるでなにかに取り憑かれたように録音に没頭したのか。いまもそうだが、16年前の当時も音楽をめぐる情況は息苦しさの度合いを日増しに深めていただろう。多くの同業者がリタイアを余儀なくされ、音楽業界全体も活気を喪いかけているように、わたしの目には映ったのである。かくいうわたしも「CDがまったく売れない」現実に日々呻吟していたのだったが。だが、人はいかなる困難の最中にも夢をみる。否、困難であればあるほど、豊穣に灼けつくほどしたたかに。制作経費どころか自身の生活費さえままらなない「いま」だからこそ、インディーズの初志を貫徹しなければならぬ、音楽を断じて小さなものにしてはならない、そうおもった。わたしたちは「泥船」を仕立てて苦海へ乗り出したのである、遥かなる音楽の桃源目指して!
幸い、渡辺勝、ロケットマツ、関島岳郎、中尾勘二。4人の熟達がマエストロ役を買って出てくれたおかげでこの泥船は「航海」に耐え得るものとなり、気付けば31人もの乗組員、気鋭の音楽家たちがわがボロ船「蓬莱丸」に同乗して力を貸してくれたのだった。わたしたちの無謀な航海はつねに音楽を司る神に護られてあった、いまはしみじみそうおもうことができる。
歴史の辛酸をなめ尽くしてきたオキナワには「ニライカナイ」というユートピア幻想がある。唯心の浄土を胸内に描いて苦海の海を北へ西へ、東へ南へ乗り出してゆく、唄ひとつ、唇に携えて。わたしたたちもそんな先人たちの心意気に学びたいとおもった。そして、かれらが辿ってきたであろう道をふたたび辿り直しながら、のこした足跡を至福の『歌声』「音楽」に変えようと全力で務めた結果が本作なのである。
…と、ここまで綴ってもうダメだ。あとがつづかない。本作について語ろうとするとき、気持ちばかりが先走って考えがひとつにまとまらぬ。それに「想い」にばかりつきすぎて恥ずかしい。依頼原稿なら当然「ボツ」にするところだが、これがいまの偽ざる真情なら仕方ない。これではまるで宣伝にはならないから「MEMO」は折りをみてあらためてチャレンジすることとしたい。最後に言いたいことはただひとつ、わたしたちの「現時点における最高傑作」をぜひご一聴くださいますよう。
2018年現在、最早常態化した観がある構造的音楽不況。本作続編『南島通信』制作着手の時機到来か。生きにくい時代にも、否、生きにくい時代にこそ「まぼろしに向かって人は立つ」のだから。
2018.8.28 神谷一義(オフノート)