東西と~ざい!当世流行りの和洋折衷雑多音楽ご開帳でござ~い!
浪華の街頭宣伝音楽隊、ちんどん通信社、入魂の力作、遂に登場!
鬼才、林幸治郎・プロデュ-ス〈チンドン・アラカルト〉第一弾!
浪華ちんどん界の王者に君臨する異能集団・ちんどん通信社。本アルバムはチンドン通信社主宰・林幸治郎監修による〈チンドン・アラカルト〉シリーズの記念すべき第一弾。
〈チンドン・アラカルト〉では和洋折衷音楽・チンドンを基点に大衆音楽がもつ異種混交の可能性を徹底追求する。いまだ語られざるチンドンにまつわる芸能裏面史の検証と可能性の模索を通して、あたらしい大衆音楽/芸能のあり方を提示していきたい。
本作『大阪スタイル!!!/ちんどん通信社』はシリーズ第一弾に相応しく、浪華パワー全開の痛快作に仕上がった。スタジオ&街頭録音で綴られた構成は彼らの芸の幅と奥行きを余すことなく捉えているし、アルバム全体を一本貫く「ハレ」と「ケ」の間を楽しそうに体を揺らしながら自由に朗らかな往来する街頭宣伝隊、異装の群体を如実に映し出す。
かつて、篠田昌已は名作『東京チンドン』で東京下町の往来を楽器一つ身ひとつで闊歩するチンドンという芸人/職能手段の姿と心意気を見事に活写した。この『大阪スタイル!!!』は篠田が描いたチンドン稼業のイコンへの大阪からの返答なのである。今日も大阪辺境最深部を、ラッパ吹きながら太鼓鳴らしながら往く遊芸稼ぎ人たちの音の記録なのである。2005年作品
<第一幕>恋のクラリネット抒情篇
1. 拝啓、路上にて・-伊那節
2. 台湾楽しや
3. 天竜下れば
4. 流転 5. 乱れ髪
6. SHAKE
<第二幕>雨のゴロス慕情篇
7. 拝啓路上にて・-博多の女
8. 雨降りお月さん
9. 赤いスイートピー
10. お前に惚れた
11. 昭和ど真ん中
12. 風になりたい
13. のんべえ
<第三幕>魅惑のチンドン旅情篇
14. 拝啓路上にて・-砂に書いたラブレター
15. 真夏の果実
16. ダニューブ川の漣
17. 片恋酒
18. ブラックマジックウーマン
19. 富山音頭くずし
20. 忘れてほしい
21. 拝啓路上にて・-1四丁目
ちんどん通信社:
林幸治郎 Chindon, Trumpet
小林信之介 Clarinet., Tenor Saxophone
ジャージ川口 Grosse, Banjo
花田雅史 Chindon, Vocal
小林寛明-二胡, Grosse
高橋皇 Electric Guitar
坂田治子 Grosse
林美千代 Chindon
TAMA Accordion
後藤奈保子 Accordion
Produced by 林幸治郎&ちんどん通信社
[試聴]
2.台湾楽しや
■ 商品説明
ちんどん界の王者に君臨する異能集団・ちんどん通信社。〈チンドン・アラカルト〉第一弾は「何でもあり!」の上方パワー全開の痛快作。スタジオ&街頭録音で綴られた構成は彼らの芸の幅と奥行きを余すことなく捉えて楽しそうに体を揺らしながら自由に朗らかに往来する街頭宣伝隊、異装の群体を如実に映し出す。今日も大阪辺境最深部をラッパ吹き鳴らし太鼓打ち鳴らしながら往来する遊芸稼ぎ人たちの音の記録。
■ 商品仕様
製品名 | 大阪スタイル!!! / ちんどん通信社 |
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型番 | on-56 |
JANコード | 4571258150565 |
メーカー | オフノート |
製造年 | 2005年 |
MEMO 大阪スタイル!!! 2018
わたしが「日本一」と信じて疑わない林幸治郎総帥率いるちんどん通信社。この「日本一」というモノ言いには多生の因縁がしがらむ。いまは亡き幻視のルポライター・朝倉喬司さんと話していたとき、ちんどん通信社を評して「かれらは最高だね、日本一じゃないの?」「ええ、林さんたちは日本一のチンドン屋さんですよ」とわたし。「イヤ、音楽全般としてさ」。うーん、わたしは唸った。が、朝倉さんの高評を疑ったわけではない。むしろ逆で、わたしの曖昧な評価、散漫な感想を形に整え裏打ちしてくれた幻視者の炯眼にいたく感心したのであった。以来、林幸治郎とその一統にはさまざまお世話になっている。本邦最後の現役ジンタ楽隊・発見の記録『疾風怒濤!!! / 北村大沢楽隊』、南島謡人・大工哲弘とのわらべ唄・童謡を軸に据えた唄の再生『ジンターランド / 大工哲弘&ちんどん通信社』、近代大衆音楽成立の核心に迫る二つの恊働からはじまり、さらに『カストリオンド / 初音家石若』でも、天の調べと地の波動をそのまま音に置換したような独自の和洋折衷グルーヴで河内音頭に内包された多層的複合リズムを顕在化させ烈しく賦活してくれたことも忘れられない。ジンタ、南島歌謡、音頭…。そう、まさに林幸治郎&ちんどん通信社という街頭宣伝隊、浪花のエンターテイメント集団こそが、この国の大衆音楽の「キンタマ」を握っているのであって、わたしが「日本一」とよぶ所以である。これからのわたしたちの仕事は大衆芸能揺籃の地である大阪をいまひとつの拠点にして発信されてゆくだろう。その過程で、ちんどん通信社が叩き出す比類なき卓抜なグルーヴが重要な触媒を果すことは疑い得ない。これからがお楽しみの時間。それまでの束の間、本作を心ゆくまでご堪能くださいますよう。(2018.1.15)