コノオトコタチ、過激ニシテ愛嬌アリ。大衆音楽の真実ここにあり!
最古かつ最強。奇蹟の和魂洋才音楽隊、北村大沢楽隊、渾身の一撃!
林幸治郎プロデュ-ス、シリーズ〈チンドン・アラモード〉第一弾!
ちんどん通信社主宰林幸治郎監修による〈チンドン・アラモード〉シリーズ第一弾である。〈チンドン・アラモード〉はこの国の大衆音楽&芸能の再検証を通して、その「和魂洋才」の精神に学び、再び現代に活かす方途を探究する企画シリーズ。本作は宮城県石巻市・北村大沢地区に現存する本邦最古のジンタ楽隊・北村大沢楽隊入魂の演奏を収めて、大衆藝能史上貴重な記録となった。
ゴロス〈大太鼓)とケース〈小太鼓)が叩きだす一音一音気魄のこもった気合いのグルーヴにのって、一陣の疾風のごとく吹き来り吹き去るクラリネット、トランペット、トロンボーンが渾然一体となってガランスのように紅く、マグマのように熱い音塊を噴き上げる。溢れ出すアブストラクトでエモーショナルな音状はオーネット・コールマンの「フリージャズ」をも彷彿とさせる強烈なインパクトに充ち満ちている。この音楽が小学校運動会を盛り上げるための実用音楽であったのだから驚きだ。
かつてジンタについて堀内敬三は綴っている。
「其の音楽は怖ろしい刺激をふりまいた。大太鼓と小太鼓の煽り立てるリズム、クラリネットの血みどろな絶叫、コルネットの尖ったキョウ笑、バリトンの呑んだくれた戯れ歌……生々しい感覚がナイフで切った指先の傷口から溢れ出る血潮の様に、ヅキンヅキンと盛り上がって来る。----しかもなほヂンタ諸士は冷静そのものの超然たる微笑さへも浮かべて闊歩して行くのだ。彼等は街のメフィストであった。音の魔術師であった。」〈ヂンタ以来)
西洋音楽の身体的的受容が生み出した大衆音楽の傑作が「ジンタ」だとしたら、北村大沢楽隊の演奏はその裡に宿った記憶、雑踏のざわめきの中から澎湃と「ジンタ」が沸き起こる初原の影像をくっきりと明瞭に浮かび上がらせる。
出だしの音をそのままタイトルにした曲名はその出自を如実に物語り、在りし日の痕跡をしっかと留める。
まさにポピュラーミュージックのオフノートをいまに甦らせる軌跡の楽隊。
これぞ、「Asian Harmolodics」の極致。2005年作品
1. 竹に雀
2. ドドレミ1
3. ワルツ
4. ソミド〈徒競走リズム〉
5. 美しき天然1
6. 花笠音頭
7. シシラ
8. 万朶の桜1
9. 敵は幾万〈徒競走リズム〉
10. ラファレミ〈ワルツ〉
11. 斉太郎節
12. ラドレ〈ワルツ〉
13. 君が代マーチ〈徒競走リズム〉
14. 浪子と武男
15. 鉄道唱歌
16. 徒競走音頭〈徒競走リズム〉
17. ドドレミ 2〈徒競走リズム〉
18. 万朶の桜2
19. 美しき天然2〈マーチ)
北村大沢楽隊:
渡辺 喜一 クラリネット
桜井 保 トランペット
中塩 富夫 トロンボーン
木村 匡一 ゴロス(大太鼓)
木村 栄二 ケース(小太鼓)
[ゲスト]
ちんどん通信社:
林幸治郎 トランペット(1, 2, 18, 19)
小林信之介 アルトサックス(1 ,2, 18, 19)、 篠笛(1, 2, 18)
ジャージ川口 バンジョ-(1, 2, 18, 19)、三味線(1, 2, 18)
小林寛明 胡弓(1, 2, 18)
&
渡辺勝 エレキギター(2)
イマイアキノブ エレキギター(2, 18)
[試聴]
1.竹に雀